夢であいましょう
2016年 12月 12日
夢の自家栽培
夢であいましょう
永六輔詩 中村八大曲
夢であいましょう
夢であいましょう
夜があなたを抱きしめ
夜があなたに囁く
うれしげに 悲しげに
楽しげに 寂しげに
夢で 夢で
君も 僕も
夢であいましょう(後略)
この曲は、1961~66年、夜10時頃にNHKのテレビで
放映された番組の冒頭で坂本スミ子が歌ったものだ。
この番組の中からは、『上を向いて歩こう』や『こんにちは
赤ちゃん』等の名曲が誕生した。夢のような曲の誕生だった。
縁があって、坂本スミ子、坂本九、梓みちよ等の諸氏と、
同じ舞台でお会いしたことがある。学生時代のことだ。
いい歌は、時間の流れと一緒に生きている。無意識のうちに、
「夢であいましょう♫」と口をついて出てくるのもその証だ
ろう。近頃、暗いことばかりが多すぎるためか、この歌をよく、
口走っている気がする。楽しいことやうれしいことを夢見る
ことが夢物語になってしまっている。
そう思うのは、歳を重ねて、明日という明るい日が少なく
なってきている個人的な問題だろうか。
絵本の話だが、眠っている森の動物たちの夢を吸い取って
しまう夢吸いコウモリ「ホラキュラ」によって、動物たちは
夢無し病にかかってしまうという近藤薫美子作・絵『ゆめ
すいこうもり』という作品ががある。今世、この夢吸いコウ
モリが増殖して、夢無し病が蔓延しているのだろうか。
(杉浦繁茂)『かばくんこっくりかっくり』での、夢心地で居眠り
をするカバを邪魔する蚊のような、他人の幸せを妨害する小癪な
輩が増えたからだろうか。
どうやら、少々ネガティブ・キャンペーンになってしまったようだ。
夢は与えられるものではない。夢は自分で描き、自分で育てて、
実現への努力で満たされるものだ。夢は描くだけでも夢だといっても
いい。
所詮、夢は他人に頼らず自家栽培するものだと心得たらいい。
(きじまはじめ)『ゆめ』だったように記憶している。
キーツは、親日家で、ピーターのシリーズでよく知られている。
『ゆめ』は、巧みな色使いで時間の変化や夢の違いなどを表現して
いる。主人公のロベルトは、眠れないで外を見ていて、ネコが
イヌに襲われているのを、紙ネズミと一緒になって助ける。
その後、ロベルトは幸せそうなピンク色の夢を見ながら眠る。
ここでのキーツは色の魔術師だ。窓に映し出される人それぞれの
夢の色を万華鏡のように楽しげに描いている。
『またふたりで』だ。この作品は、第13回ニッサン童話と
絵本のグランプリ絵本大賞受賞した。
発想も、描写ものびのびとしていて、夢の源のような絵本で、
ワクワクさせられる。しかも、絵本の内容が夢の話で、読み
進めるうちに、すっかり夢の世界にはまり込んでしまう。
夢を見ることができなくなったラクダと、夢を食べていない
バクが夢の妖精と出会うことで沢山の夢を見て元気になる。
夢は元気の源ということでもあるようだ。
意外、夢は、あれこれ考えることではなく、自分の好き
なように考えて、行動することで、どんどん夢を生み出していく
ものかもしれない。夢についての考え方は、型にはめて考えること
でもないようだ。
いろいろな、考え方、とらえ方があってもいい自由なものなんだろう。
タイトルと表紙の絵を見るだけで、いい夢が見られそうな絵本に、
山下明生作、渡辺三郎絵『いいゆめを』がある。
満月の夜に、いろんなものや、いろんな人が見る夢は、どれも
いい夢ばかり。とにかく、渡辺さんの絵を見ているだけで、夢心地に
なれる。寝る前の夢見酒のようにウットリする。
これもしたいとあれこれ夢を描くものだ。そのスタンダード版
ともいえるオシャレな絵本にハイディ・ゴーネル作(おかび
ゆうこ)『おおきくなったら・・・』がある。2歳ぐらいから
でも十分楽しめる子どもの背丈で描かれた絵本だ。しかしながら、
見方によっては、背伸びをするくらいでないと夢と言えないと
言われるかもしれない。
先回のブログは「虹」だったが、虹も夢につながる言葉だし、希望にも
つながる言葉だと思うので、夢、虹、希望等をミックスにして、心の中で、
七色に輝く幸せな人生をしっかり育てていきたいものだ。
===================================================
Commented
by
masae
at 2016-12-16 17:35
x
夢と妄想…生きていくために、大切ですよね。
今度、美声を聞かせていただきたいものです。
今度、美声を聞かせていただきたいものです。
0
Commented
by
ehondamari at 2016-12-16 19:54
masaeさん
美声?とは何のことぞヤ。よくわかりません。
でも、最近、全くコメントがないので、どんなことを言われても、許せてしまうところが、情けないです。
人がつながっていくことの大切さを発信していて、つながっていないことを実感するのもつらいものです。
これもまた現実ですね。
ただただ、感謝です。
美声?とは何のことぞヤ。よくわかりません。
でも、最近、全くコメントがないので、どんなことを言われても、許せてしまうところが、情けないです。
人がつながっていくことの大切さを発信していて、つながっていないことを実感するのもつらいものです。
これもまた現実ですね。
ただただ、感謝です。
by ehondamari
| 2016-12-12 10:33
| 絵本と子育て・保育
|
Comments(2)