花より団子
2017年 03月 26日
絵本で空腹は満たされるか
中山圭子文、阿部真由美絵『和菓子のほん』より
不思議と春はお腹がすく。おいしい魚が食べたい願いが叶った
のか。食えるものならこれでも食えと言わんばかりに、クエが
送られてきた。実にまずそうな面相の悪いクエだ。実際には
クエは高級魚で、クエ鍋はたまらなくおいしくて高価だ。私の
ような貧乏人にはまず口に入らない代物だ。今夜はクエ鍋とい
くか。送って頂いた方にひたすら感謝だ。
調理されたクエ
桜の花を見ていたら、なぜか食欲がそそられる。食欲を
満たすには、食べる絵本を見て我慢するしかなく。身の回り
は食べる絵本だらけだ。
やぎゅうげんいちろう作『はらぺこさん』を開いてみると、
「ぺこぺこぺこぺこぺっこぺこ」と食欲をますます煽るか
のようにはじまる。よく見てみると、なぜ腹ペコになるか。
お腹がすかないのはどういう理由かなど、極めて真面目な絵本
だ。常時空腹感の者にはとても大切なことが書かれた絵本の
ようだ。でも食欲はやめられない、止まらないから困った
ものだ。それにしても、柳生さんは、科学絵本の名人である。
こんなに面白ければだれもが科学が好きになるはずだが・・・。
「この星にいのちが生まれた そのときから、たえまなく、
続いてきた『いのちのつながり』 たべること、そしてたべ
られること」と山福朱美作・絵『ぐるうん ぐるん』の
表紙裏に描かれている。版画によるかなりの力作だ。
輪廻をコトバ少なく絵でつなぎ、リアルで美しく表現して
いる。食べ続けた私はいつ食べられるのか。その時が近づ
いているに違いない。
桜を見て食欲を感じるからなのか、食べたいものは、どちら
かというと、和菓子が、頭の中を駆け巡っている。
中山圭子文、阿部真由美絵『和菓子のほん』は、見るだけで、
生唾ものだ。絵で見るだけでも美しいのだから、実際には
もっと美しいに違いない。
『和菓子のほん』より
いつものことだが、京都では、和菓子だけでもどれだけ
の種類があるのだろうかと、目を見張ってしまう。
ついでに1個の値段を見てその値段にさらに目を見張る。
デパートなどでも、和菓子の専門店の前に立ちすくむ
ことが多い。しかも相当長い時間見ている。『和菓子の
ほん』は、和菓子の作り方をはじめ、和菓子にまつわる
様々な話が満載で、とても参考になる。貴重な絵本だ。
この本の後で、出版された平野恵理子作『和菓子の絵本~和菓子
っておいしい!』も前作に似ているが、もう少し詳細に描かれて
いて、和菓子の知識を得たいときには、とても役に立つ絵本だ。
和菓子は、まさに芸術だ。日本の食文化を代表する宝物と言える。
全国の和菓子を全部集めたらどんなことになるのだろう。お菓子は
旅の楽しみのひとつだから、全国のお菓子を網羅した絵本図鑑は出
ないだろうか。食い意地の張った者しか考えない発想かもしれないが。
『和菓子のほん』より
我が家の近くでは、私の名前の一字を取ったのかと思わせる
最中が売られている。その名は「藤齊」。親しみを感じて、
時々食べる。
最近では、近くに塩大福専門の店もできて、その大福を入れた
アンパンまで販売されはじめた。和菓子が結構ブームのようだ。
大福もちの絵本と言えば、田島征三作『だいふくもち』があるが、
宇治勲文・絵『かっこわるいよ!だいふくくん』もとてもよくでき
た絵本で、甘くてほろ苦い味のする絵本だ。
様々な和菓子が次々登場して、「かっこわるいだいふくもち」と
馬鹿にするが、大福もちは、ネズミに襲われる他の和菓子の危機を
救い、ねずみに二度と和菓子たちを襲わないと約束させて、わが身
をネズミに捧げる。大福もちは「おいしいおいしいと言って残さず食べて
もらえたから しあわせなきもちになりました」。そして「しあわ
せなきもちの そのままで静かに消えていきました」。
という終わり方に、なんともほろ苦い気持ちにさせられてしまった。
この話を読んでしまうと、大福もちはスルーして、お茶だけにして
おきたくなる。土屋とし子作『おちゃのじかん』では、日本茶だけで
はなく、チャイ、マテ茶、中国茶、ロシアンティー、ミントティー、
アフタヌーンティーなどが詳しく紹介されている。どれも、まんざら
和菓子に合わない訳でもないので、試してみたらいいかもしれない。
血糖値を気にしながら、このような和菓子の話を書いている
我が身が心配になってきた。
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不思議と春はお腹がすく。おいしい魚が食べたい願いが叶った
のか。食えるものならこれでも食えと言わんばかりに、クエが
送られてきた。実にまずそうな面相の悪いクエだ。実際には
クエは高級魚で、クエ鍋はたまらなくおいしくて高価だ。私の
ような貧乏人にはまず口に入らない代物だ。今夜はクエ鍋とい
くか。送って頂いた方にひたすら感謝だ。
満たすには、食べる絵本を見て我慢するしかなく。身の回り
は食べる絵本だらけだ。
「ぺこぺこぺこぺこぺっこぺこ」と食欲をますます煽るか
のようにはじまる。よく見てみると、なぜ腹ペコになるか。
お腹がすかないのはどういう理由かなど、極めて真面目な絵本
だ。常時空腹感の者にはとても大切なことが書かれた絵本の
ようだ。でも食欲はやめられない、止まらないから困った
ものだ。それにしても、柳生さんは、科学絵本の名人である。
こんなに面白ければだれもが科学が好きになるはずだが・・・。
続いてきた『いのちのつながり』 たべること、そしてたべ
られること」と山福朱美作・絵『ぐるうん ぐるん』の
表紙裏に描かれている。版画によるかなりの力作だ。
輪廻をコトバ少なく絵でつなぎ、リアルで美しく表現して
いる。食べ続けた私はいつ食べられるのか。その時が近づ
いているに違いない。
桜を見て食欲を感じるからなのか、食べたいものは、どちら
かというと、和菓子が、頭の中を駆け巡っている。
生唾ものだ。絵で見るだけでも美しいのだから、実際には
もっと美しいに違いない。
いつものことだが、京都では、和菓子だけでもどれだけ
の種類があるのだろうかと、目を見張ってしまう。
ついでに1個の値段を見てその値段にさらに目を見張る。
デパートなどでも、和菓子の専門店の前に立ちすくむ
ことが多い。しかも相当長い時間見ている。『和菓子の
ほん』は、和菓子の作り方をはじめ、和菓子にまつわる
様々な話が満載で、とても参考になる。貴重な絵本だ。
っておいしい!』も前作に似ているが、もう少し詳細に描かれて
いて、和菓子の知識を得たいときには、とても役に立つ絵本だ。
和菓子は、まさに芸術だ。日本の食文化を代表する宝物と言える。
全国の和菓子を全部集めたらどんなことになるのだろう。お菓子は
旅の楽しみのひとつだから、全国のお菓子を網羅した絵本図鑑は出
ないだろうか。食い意地の張った者しか考えない発想かもしれないが。
我が家の近くでは、私の名前の一字を取ったのかと思わせる
最中が売られている。その名は「藤齊」。親しみを感じて、
時々食べる。
最近では、近くに塩大福専門の店もできて、その大福を入れた
アンパンまで販売されはじめた。和菓子が結構ブームのようだ。
宇治勲文・絵『かっこわるいよ!だいふくくん』もとてもよくでき
た絵本で、甘くてほろ苦い味のする絵本だ。
様々な和菓子が次々登場して、「かっこわるいだいふくもち」と
馬鹿にするが、大福もちは、ネズミに襲われる他の和菓子の危機を
救い、ねずみに二度と和菓子たちを襲わないと約束させて、わが身
をネズミに捧げる。大福もちは「おいしいおいしいと言って残さず食べて
もらえたから しあわせなきもちになりました」。そして「しあわ
せなきもちの そのままで静かに消えていきました」。
という終わり方に、なんともほろ苦い気持ちにさせられてしまった。
おきたくなる。土屋とし子作『おちゃのじかん』では、日本茶だけで
はなく、チャイ、マテ茶、中国茶、ロシアンティー、ミントティー、
アフタヌーンティーなどが詳しく紹介されている。どれも、まんざら
和菓子に合わない訳でもないので、試してみたらいいかもしれない。
血糖値を気にしながら、このような和菓子の話を書いている
我が身が心配になってきた。
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Commented
by
masae
at 2017-03-31 10:54
x
和菓子の絵本、見てるだけで、お腹がすいてきました。同類です…(笑)。
季節の彩りを感じられる和菓子は、ケーキとは違う楽しみがありますね。
季節の彩りを感じられる和菓子は、ケーキとは違う楽しみがありますね。
0
Commented
by
ehondamari at 2017-03-31 16:59
by ehondamari
| 2017-03-26 22:20
| 絵本と子育て・保育
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Comments(2)