内田麟太郎氏と渡辺有一氏の共作絵本
2018年 09月 03日
ぽっかり・うっとり・すやすや
~ほっこりする絵本
210日が過ぎた途端に、明日、大型台風21号が、こちら
にやってきそうだ。安心できない進路をたどっている。
今年の台風の数は、異常気象とも関係あるのだろうか。
世界中で何もかもが異常すぎる。気象以外にも、
日本も例外ではない。スポーツ界の異常性は常軌を逸し
ている。東京オリンピックを目前に控えて、利権を争っ
て権威が猛威を振るっている。
その中で、若者の良識・見識や正義感とクレバーさが際
立って光っている。それに比べて、大人の意気地のない
言動や、不甲斐なさが暴露されて、とても悲しい。
18歳の女性を、少女として扱い、子どもとみなして、マ
スコミは同情的に評価するが彼女は立派な大人であり、
自立した人格の持ち主であるという尊敬の念が大人と言
われる人たちに、足りないのではないのかと憂慮する。
童謡・唱歌に、次の2つの学校を歌ったものがある。
『雀の学校』
清水かつら作詞、弘田竜太郎作曲
チイチイパッパ チイパッパ
雀の学校の 先生は
むちを振り振り チイパッパ
『めだかのがっこう』
茶木滋作詞、中田喜直作曲
(2番)
めだかのがっこうのめだかたち
だれがせいとかせんせいか
だれがせいとかせんせいか
みんなで げんきにあそんでいる
戦前と戦後の教育の違いについて、度々比較される
童謡だ。
歌詞を見てわかるように、先生がむちで教える教育
と、民主的で生徒と先生が平等である教育の違いが
象徴的に描かれている。
暴力かパワハラかとの議論が盛んに行われているが、
「怒る」と「叱る」の違いにも似ている。
自分の都合で、自分の感情に任せて相手を指導する
「怒る」と、相手の人格を尊重して、相手の判断や
方向性を示唆して、理解させられるように指導する
「叱る」とは全く違う。過去の古い教育を受けた人
は、過去に受けた指導のモデルが、トラウマになっ
て、今も「怒る」雀の学校教育をするのだろう。
民主的な教育方法は、時間がかかるし、面倒でもあ
る。そのため、ハラスメントと言われないための、
無難で何もしない、消極的な教育がはびこってきて
いるのも事実だ。確かな教育が行われるためには、
相当な経験と忍耐を乗り越えて、教育スキルを獲得
する覚悟がいる。今日の教育界を見ていて、あまり
期待できそうにもない。
今日は、暑さもゆるくなって、しのぎやすくなった
ので、夏バテ解消のための絵本とも言えるような、
のんびり、ほっこりできる絵本を紹介しようと、軽
いヒーリングの曲を聴きながら書くはずが、前段が
少々硬くなりすぎてしまった。
このようなときは、大好きな、内田鱗太郎氏と渡辺
有一氏のコンビで書かれた絵本3冊を紹介しておきた
い。
(1)内田鱗太郎文、渡辺有一絵『ぽっかり つき
がでましたら』文研出版
まん丸なお月様の、にこやかで、愛嬌がある姿を見る
と親しみがわき、ほっとする。「ぽっかりつきがでま
したら」、「ぽっかりかばもでるでしょう」そんなこ
ことあらへん。あるはずがない。「とまともでるでし
ょう」「かぼちゃもでるでしょう」「うまもくしゃみ
をするでしょう」そんなこと絶対にあらせん。まだま
だ他にもいろんなものが出てくる。
最後は「うっかりおばけもでるでしょう」。ますます、
そんなこと絶対にないと確信しても、なんだかありそ
うな気がしてくるから不思議だ。なんだか、催眠術に
かかったような気がする。これがナンセンス絵本の特
徴ということなのだろう。
(2)内田麟太郎文、渡辺有一絵『うっとり はなにみ
とれたら』文研出版
花が嫌いな人はいないでしょう。花を見れば誰もが、う
っとりするはず。うっとりまではいいけど、なぜ浮くの
だろうか。水素でも花粉から噴き出しているのだろうか。
サイが花にみとれたら、なぜか浮くんだそうだ。なぜな
んだろう。
ワニが花にメロメロになって砂に潜って眠って、起きたら、
うっとり歌い出すなんて想像がつかない。信じられないし
気味が悪くもある。でもそれは本当らしいのだ。
ヘビなんかは、サボテンの花にうっとりして、歌いながら
眠ってしまう。信じがたい話ばかりだが、なぜか面白い。
おばけも、花に見とれて眠ってしまう。ここまでくると、
嘘くさい。でもそれが本当だというのだから、信じない訳
にはいかない。お化けが花ととけ合って、かわいらしい。
(3)内田鱗太郎文、渡辺有一絵『すやすや たぬきが
ねていたら』文研出版
眠り病は伝染するようだ。私の眠いのは誰から伝染したのだ
ろう。タヌキ寝入りなんていう言葉もあるのだから、タヌキ
は眠りの専門家なんでしょう。
とにかく、タヌキが眠っていると、タヌキと出合う動物
たちはみんな眠ってしまう。もちろん、人間もだ。
眠ることは、いいことだ。タヌキに限らず、眠いときには、とに
かく眠ることといたしましょう。眠りの先には、幸せな夢
が必ずあるから。
タヌキがぐっすり眠って、起きてみたら、お腹はぽんぽこり
ん。私のおなかはぽよよーん、ぽよーん。
今回紹介した内田&渡辺の3部作は、心が軽くて豊かになる。
知らぬ間にほっこりした気持ちになって、眠くなる。
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~ほっこりする絵本
210日が過ぎた途端に、明日、大型台風21号が、こちら
にやってきそうだ。安心できない進路をたどっている。
今年の台風の数は、異常気象とも関係あるのだろうか。
世界中で何もかもが異常すぎる。気象以外にも、
日本も例外ではない。スポーツ界の異常性は常軌を逸し
ている。東京オリンピックを目前に控えて、利権を争っ
て権威が猛威を振るっている。
その中で、若者の良識・見識や正義感とクレバーさが際
立って光っている。それに比べて、大人の意気地のない
言動や、不甲斐なさが暴露されて、とても悲しい。
18歳の女性を、少女として扱い、子どもとみなして、マ
スコミは同情的に評価するが彼女は立派な大人であり、
自立した人格の持ち主であるという尊敬の念が大人と言
われる人たちに、足りないのではないのかと憂慮する。
童謡・唱歌に、次の2つの学校を歌ったものがある。
『雀の学校』
清水かつら作詞、弘田竜太郎作曲
チイチイパッパ チイパッパ
雀の学校の 先生は
むちを振り振り チイパッパ
『めだかのがっこう』
茶木滋作詞、中田喜直作曲
(2番)
めだかのがっこうのめだかたち
だれがせいとかせんせいか
だれがせいとかせんせいか
みんなで げんきにあそんでいる
戦前と戦後の教育の違いについて、度々比較される
童謡だ。
歌詞を見てわかるように、先生がむちで教える教育
と、民主的で生徒と先生が平等である教育の違いが
象徴的に描かれている。
暴力かパワハラかとの議論が盛んに行われているが、
「怒る」と「叱る」の違いにも似ている。
自分の都合で、自分の感情に任せて相手を指導する
「怒る」と、相手の人格を尊重して、相手の判断や
方向性を示唆して、理解させられるように指導する
「叱る」とは全く違う。過去の古い教育を受けた人
は、過去に受けた指導のモデルが、トラウマになっ
て、今も「怒る」雀の学校教育をするのだろう。
民主的な教育方法は、時間がかかるし、面倒でもあ
る。そのため、ハラスメントと言われないための、
無難で何もしない、消極的な教育がはびこってきて
いるのも事実だ。確かな教育が行われるためには、
相当な経験と忍耐を乗り越えて、教育スキルを獲得
する覚悟がいる。今日の教育界を見ていて、あまり
期待できそうにもない。
今日は、暑さもゆるくなって、しのぎやすくなった
ので、夏バテ解消のための絵本とも言えるような、
のんびり、ほっこりできる絵本を紹介しようと、軽
いヒーリングの曲を聴きながら書くはずが、前段が
少々硬くなりすぎてしまった。
このようなときは、大好きな、内田鱗太郎氏と渡辺
有一氏のコンビで書かれた絵本3冊を紹介しておきた
い。
(1)内田鱗太郎文、渡辺有一絵『ぽっかり つき
がでましたら』文研出版
と親しみがわき、ほっとする。「ぽっかりつきがでま
したら」、「ぽっかりかばもでるでしょう」そんなこ
ことあらへん。あるはずがない。「とまともでるでし
ょう」「かぼちゃもでるでしょう」「うまもくしゃみ
をするでしょう」そんなこと絶対にあらせん。まだま
だ他にもいろんなものが出てくる。
最後は「うっかりおばけもでるでしょう」。ますます、
そんなこと絶対にないと確信しても、なんだかありそ
うな気がしてくるから不思議だ。なんだか、催眠術に
かかったような気がする。これがナンセンス絵本の特
徴ということなのだろう。
とれたら』文研出版
っとりするはず。うっとりまではいいけど、なぜ浮くの
だろうか。水素でも花粉から噴き出しているのだろうか。
サイが花にみとれたら、なぜか浮くんだそうだ。なぜな
んだろう。
うっとり歌い出すなんて想像がつかない。信じられないし
気味が悪くもある。でもそれは本当らしいのだ。
眠ってしまう。信じがたい話ばかりだが、なぜか面白い。
嘘くさい。でもそれが本当だというのだから、信じない訳
にはいかない。お化けが花ととけ合って、かわいらしい。
ねていたら』文研出版
眠り病は伝染するようだ。私の眠いのは誰から伝染したのだ
ろう。タヌキ寝入りなんていう言葉もあるのだから、タヌキ
は眠りの専門家なんでしょう。
たちはみんな眠ってしまう。もちろん、人間もだ。
かく眠ることといたしましょう。眠りの先には、幸せな夢
が必ずあるから。
タヌキがぐっすり眠って、起きてみたら、お腹はぽんぽこり
ん。私のおなかはぽよよーん、ぽよーん。
今回紹介した内田&渡辺の3部作は、心が軽くて豊かになる。
知らぬ間にほっこりした気持ちになって、眠くなる。
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高島市が、観測史上最大の豪雨量との、ニュースを見て、とても心配してます。
こちらもすごい風と豪雨で、恐ろしかった。
嘱託職員なので、私は、今日は、休みを取り、でも公務員、うちの娘も出勤でした。一部の地下鉄以外は、交通機関は、止まっているので心配でした。
今は、戸外は、虫の鳴き声の大合奏です。
こちらもすごい風と豪雨で、恐ろしかった。
嘱託職員なので、私は、今日は、休みを取り、でも公務員、うちの娘も出勤でした。一部の地下鉄以外は、交通機関は、止まっているので心配でした。
今は、戸外は、虫の鳴き声の大合奏です。
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ehondamari at 2018-09-04 23:26
こあらさん
まさかの直撃でした。琵琶湖に棲んで、ほとんど台風らしい台風にお目にかかっていなかったのですが、今年に入って2度目の大きな台風でした。
ひたすら家の中に閉じこもって、通過するのを待っていました。お陰様で、何もなかったように思います。滋賀県のあちこちに警報が出ていたので、被害が出たのかもしれません。
明日になったらわかるでしょう。
まさかの直撃でした。琵琶湖に棲んで、ほとんど台風らしい台風にお目にかかっていなかったのですが、今年に入って2度目の大きな台風でした。
ひたすら家の中に閉じこもって、通過するのを待っていました。お陰様で、何もなかったように思います。滋賀県のあちこちに警報が出ていたので、被害が出たのかもしれません。
明日になったらわかるでしょう。
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midorigame
at 2018-09-09 18:08
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ehondamari at 2018-09-09 20:14
midorigameさん
内田さんは、硬軟を見事に使い分けて、沢山の絵本を生み出しておられます。心穏やかになるものから、はっとして考えさせられるものまで幅が広い作家です。こんなにも、縦横無尽に絵本が書けたら面白いだろうなと、いつも憧れます。
雨には十分気をつけてください。
内田さんは、硬軟を見事に使い分けて、沢山の絵本を生み出しておられます。心穏やかになるものから、はっとして考えさせられるものまで幅が広い作家です。こんなにも、縦横無尽に絵本が書けたら面白いだろうなと、いつも憧れます。
雨には十分気をつけてください。
by ehondamari
| 2018-09-03 16:47
| 絵本と子育て・保育
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