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児童虐待から子どもを守るために

虐待の土壌を解き明かせ

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             堀文子文・絵『みち』至光社

日本画家で、絵本作家でもあった堀文子さんが、5日、100
歳で亡くなられた。
優雅で真綿のような柔らかい筆致で、自然や生命と向かい合
い、優しさに溢れた絵でありながら、深層に厳しさを張り付
けて、存在感のある絵を描き続けられた。
絵本の中でも、『き』『みち』は、堀さんのフアンである
私の2本柱だ。特に、『みち』は私にとっても永遠のテーマな
ので、写真を撮るときにも、堀さんを脳裏に、道を選び、写し
ている。特に一本道が好きなので、次の2作は、常に、心の中
で一緒だ。

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    ”つきの しろい あしおとが やまみちを のぼってゆく”(P.7・8)
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      ”はなびらを のこして はるは いってしまった”(P.9・10)
巨星がまた一つ散った。堀文子さんのご冥福をお祈りした
い。


話は大きく変わっるが、
時事通信社によれば、児童虐待の疑いがあるとして、全国
の警察が、昨年1年間で、児童相談所に通告した18歳未満
の子どもの数が、前年比1万4673人(22.4%)増、8
万104人と過去最高を更新したと報じている。
児童虐待は、増加の一途をたどるばかりで、減少の兆しも
ない。そのこともあってか、マスコミでは、国連の子ども
権利委員会は、日本の子ども虐待が頻発ししている状況を
懸念し、日本政府に対応を強化するよう勧告して、厳しい
刑罰や子どもの被害を訴えやすいシステムが必要と指摘し
ていると報じている。
わが国には、すべての児童の幸福をはかるために児童憲章
を定めている。その中で、「児童は人として尊ばれる。児
童は社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境の
中で育てられる」と、子どもは、豊かな環境の中で、幸せ
に生き、発達する権利を有していることをしっかり定めて
いる。この憲章で示す当たり前のことが、当たり前でなく
なっているのが、今日の子どもの不幸につながっている。
新聞やテレビでも、2月に入って、千葉県で起きた児童虐
待死の問題を大きく取り上げている。今一度、国民のだれ
もが虐待が起こる根本原因をしっかり考えてみる必要があ
る。子どもの不幸は、大人がおかしくなった時に起こる。

以前にも、『わかってほしい』『パパと怒り鬼ーはなして
ごらん、だれかにー』
などの虐待やDVに関する絵本を取り
上げたことがある。
今回は、内田麟太郎文、味戸ケイコ絵『うまれてきたんだよ
』エルくらぶ
取り上げた。
虐待を扱った悲しい絵本がある。

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「ぼく うまれてきたんだって。さんねんで しんだ
んだって。いつも なぐられていたんだって。おなか
をすかし、とじこめられていたんだって。ひもじくて
かみを たべていたんだって。しゃべらなかったんだ
って。・・・・・・・」
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とても辛い言葉が並んでいる。生まれて3年間しか生
きられなかった子どものことを考えると、息が止まり
そうだ。この子は、なぜ死ななければならなかったん
だろう。生きることの当然の権利を持っていながら、
死ななければならない子どもを、優位の立場にいる大
人がなぜ守れないのか。大人の愚かさのために死ぬ子
どもをつくってはならない。大人は、全知全能をもっ
て、システムづくりと連携の強化によって子どもを守
る覚悟と努力が求められている。大人は逃げられない。

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Commented by まゆ at 2019-02-09 23:09 x
男の子の悲しい寂しい表情に心が痛み、涙が出てきました。
厳しい刑罰も必要なのかもしれないですが、それよりも虐待を起こさせない、親子を救う対策やシステムが必要だと感じます。ひとりで子育てはできません。子どものことを気にかけ、一緒に成長を喜んでくれる人がいたら、些細な悩みに共感してくれる人がいたら、すごく心強いと思います。しかし、現実はその助けや支えを必要としている人こそ、孤立し引きこもり誰にも気づかれていないとなっているように思います。虐待は経済的な要因や様々なことが絡んでくるので一概には言えないのですが…。

子どもの不幸は大人がおかしくなった時におこる。本当そうですね。大人のしわ寄せが子どもにいくのはおかしいのですが、悲しいけれどそうなっているように思います。子どもも大人も幸せに過ごし、子どもたちの笑顔を守っていかなくてはいけませんね。
Commented by ehondamari at 2019-02-10 14:57
まゆさん

少子・高齢化社会と言われはじめて随分経ちますね。言われる割に何も解決していかないもどかしさを感じます。子どもとかかわる、保育者や先生、そして親は疲れ果て、見ていても元気がないなと感じます。もっと、働き甲斐が感じられるような体制づくりが必要です。国を守り、コントロールする人たちが、問題の本質を十分理解できていないようにしか思えません。今の問題を敏感に読み取って、迅速に解決していかないと、未来はないだろうと思います。世の中には、やるべきことの重要課題に順番があるのでしょうが、大事なことが、一向に解決しないで、同じようなことを同じようにいじくりまわしているだけで、何一つ解決しないし、将来が見えてきていませんね。子育て支援など何年前から言われ続けているのでしょう。どうすればいいかなど、とっくにわかっていることだと思われますが、なぜか、何も前進しませんね。それどころか、問題が多く、大きくなるばかりです。無駄でも、誰もが問題になっていることを言い続けないといけないように思います。
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by ehondamari | 2019-02-08 23:52 | 絵本と子育て・保育 | Comments(2)

絵本で潤いのある生活を楽しむ


by ehondamari